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2008年12月28日(日) 21時35分

今年の死刑判決は27件に減少 確定者は100人に東京新聞

 全国の地・高裁と最高裁で今年言い渡された死刑判決は27件で、昨年より19件少なかったことが28日、共同通信の集計で分かった。殺人と強盗が不況のどん底だった2003年をピークに減少していることを反映し、死刑判決の増加傾向が止まった形だ。今年死刑が確定したのは10人(昨年23人)で、現在の確定者は100人。

 一方、今年の死刑執行は5回計15人。確定者を上回り、10人以上の執行は1976年以来。死刑廃止国が増え、国連で死刑停止決議などが相次ぐ中で、突出した執行急増国となっている。

 集計は最高裁、法務省の統計と関係機関・団体への取材に基づく。

 今年の死刑判決のうち地裁は、長崎市長射殺事件の城尾哲弥被告(61)ら5件で、地裁の死刑判決が1けたにとどまったのは99年以来。

 高裁判決は、最高裁で無期懲役が破棄され、審理が差し戻された山口県光市の母子殺害事件の元少年(27)ら14件。暴力団組長ら3人射殺事件の高見沢勤(被告(53)は2月に前橋地裁で、12月には東京高裁でそれぞれ死刑を言い渡された。

 最高裁判決はオウム真理教元幹部林泰男死刑囚(51)、山口県下関駅15人殺傷事件の上部康明死刑囚(44)ら8件。

 死刑判決の合計件数は03年以降、30−40件台で、昨年は集計のある80年以降最多の46件。しかし、03年に1452件あった殺人が昨年は戦後最少の1199件となり、強盗も昨年は03年より約3100件少ない4567件に減った。

 今年の死刑確定者は最高裁判決を受けた被告のほか、控訴や上告を取り下げた2人。宝石商ら強盗殺人事件の元警察官沢地和夫元死刑囚=当時(69)=ら2人が獄死した。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008122801000291.html