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2008年12月28日(日) 19時36分

アイヌ復権運動の野村義一氏死去 新法制定に尽力東京新聞

 北海道ウタリ協会理事長を32年間にわたって務め、アイヌ民族復権運動の先頭に立ってきた同協会元理事長の野村義一氏が28日午前8時30分、肺炎のため北海道登別市の登別厚生年金病院で死去した。94歳。北海道出身。自宅は北海道白老町高砂町1ノ1ノ27。葬儀・告別式は31日午前9時から白老町石山1ノ8、白老斎場で。喪主は妻美子さん。

 母がアイヌ民族。1955年から連続7期白老町議を務め、64年にアイヌ民族の最大組織、北海道ウタリ協会の理事長に就任。同胞の生活向上や差別的な法律「北海道旧土人保護法」(1899年施行)の撤廃と、それに代わって民族の尊厳と権利を保障する「アイヌ文化振興・伝統普及法」(アイヌ新法)の制定を訴え全国各地を奔走した。96年5月、理事長を退任し、顧問に就任していた。

 92年12月、国連本部での「国際先住民年」開幕式典に招かれ演説し、アイヌ民族が胸を張って生きていける社会の実現を訴えた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008122801000333.html