神奈川県の茅ケ崎市立病院で9月、60代女性患者を手術中に肝臓を傷つけ、女性が失血死していたことが28日、分かった。市役所で発表した病院は「手術に伴い、いくら注意しても一定の割合で起こる『合併症』」と説明。「医療ミスでも医療事故でもない」として、警察に届けていないという。
病院によると、女性は4月、肺から漏れた空気が胸にたまる「気胸」で入院。5月から7月にかけて手術を3回受けた。
9月下旬、胸腔のうみを出すために胸から挿入していた「ドレーン」と呼ばれる管(直径8ミリ)が抜けたため、呼吸器外科の担当医が挿入し直したところ、針状の先端部が肝臓を数センチ傷つけ大量出血、女性は約4時間後に死亡した。
経緯は病院長に報告され、医療事故を扱う安全管理委員会にも諮られたが、いずれも「合併症」と判断したという。
望月孝俊副院長は「患者が亡くなったことは残念だ。適切な処置だったと認識している」と話した。