記事登録
2008年12月28日(日) 11時44分

住民の寄付金を不適切処理 名古屋市外郭団体東京新聞

 名古屋市の外郭団体「なごや福祉施設協会」が運営している特別養護老人ホーム「なごやかハウス福原」(昭和区)で、住民からの寄付の一部を、事務長の個人名義の口座で保管していたことが分かった。市が調査した結果、私的流用はなかったとしているが「誤解を招きやすい行為で不適切な会計処理」とミスを認めている。

 国の社会福祉施設の会計基準では、金の出入りは施設名義の口座で管理しなければならない。寄付は会計上「寄付金収入」になる。

 しかし、同老人ホームは2002年8月から、施設名義の口座とは別に事務長名義の口座をつくり、プールし始めた。毎年夏と冬に行われる地元住民を招いた交流行事で、招待客からの祝儀の一部を入金していた。同協会は「次の行事の費用に充てようと思い、口座に入れた」と釈明している。

 口座は事務長交代時の04年2月に閉鎖されたが、2カ月後には後任事務長が個人名義で再び開設。残高は多い時で20万円に達していた。05年秋の行事で大半を使い、翌年に口座を解約。07年以降は会計基準に従っていた。いずれも使途は交流行事のみという。

 今年11月に外部からの指摘で発覚。市は今月24日、協会が運営する12カ所の特別養護老人ホームの施設長らを集めて会議を開き、再発防止の徹底を指示した。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008122890114444.html