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2008年12月28日(日) 23時49分

三井住友海上、あいおい、ニッセイ同和が統合へ調整 業界首位に浮上産経新聞

 損害保険2位の三井住友海上グループホールディングス(HD)、4位のあいおい損害保険、6位のニッセイ同和損害保険の3社が、経営統合について調整していることが28日、分かった。経営統合が実現すれば、事業規模で業界首位の東京海上HDを上回り、国内最大の損害保険会社が誕生する。

【写真で見る】生保にも“地殻変動”が

 3社は持ち株会社のもとでの経営統合を模索しているとみられるが、将来的には効率化をさらに進めるため、事業会社を合併させる案も浮上している。年度内の基本合意を目指しており、来年中にも統合する考え。3社の平成20年3月期の業績を合算すると、一般企業の売上高にあたる保険料収入は計2兆7000億円規模となり、東京海上HDの2兆2451億円を追い抜き、業界の勢力図が塗り替わる。

 国内損保市場は、少子高齢化という構造的問題に直面している上、自動車や住宅の販売不振により自動車保険や火災保険の新規契約も低迷。過去に各社で発覚した保険金不払い問題による信頼喪失も、販売低迷に追い打ちをかけている。

 さらに、金融危機の影響で各社の財務基盤も悪化。このため三井住友海上HDなど3社は、経営統合で得られる規模拡大やコスト削減の効果を生かして今後の成長を目指す考えとみられる。

 損保業界では、3位の損害保険ジャパンと5位の日本興亜損害保険の合併構想が浮上するなど、再編機運が高まっている。首位の東京海上HDに対抗するために、2位以下がどのような提携や統合を目指すかは、なお流動的な面もある。損保再編が進めば、資本、業務両面で親密な銀行や生命保険など金融界全体に影響を及ぼす可能性もある。

 あいおい損保首脳は「長期的に再編は考えなければいけない」と話した。 

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