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2008年12月28日(日) 23時17分

「リストラで年が越せない」 「いのちの電話」に悲痛な叫び続々産経新聞

 「リストラにあって、年が越せない」。雇用不安を背景に、自殺予防の相談を受ける全国の「いのちの電話」に、切実な訴えが相次いでいる。自殺をほのめかすケースも目立つが、ボランティア不足などから電話がつながりにくい状態が続く地域もあり、団体側は対応に苦慮している。

 「パート契約を切られたが次の仕事がない」。北九州のセンターには雇用不安を訴える電話が続々と寄せられる。全体の相談件数は減少傾向にあるものの、自殺をほのめかす電話に限っては、昨年約1200件だったのに対し、今年は約1700件にまで増えた。担当者は「年末年始でますます増えるだろう」。

 「いのちの電話」は昭和46年、東京に開設されたのを皮切りに現在は全国49カ所で約7500人(昨年)の相談員がボランティアで相談に乗っている。

 京都のセンターにも景気悪化を背景に「切羽詰まった電話が増えた」というが、相談員不足ですべてに対応できないという。1日平均約75件の相談を受けるが、これはかかってくる電話の2〜5%程度だ。

 首都圏のあるセンターでも、慢性的な人手不足は同じ。「ほとんど電話がつながらない」との苦情が、補助金を出してくれる役所にまで寄せられているという。

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