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2008年12月28日(日) 21時21分

ガザの死者271人に イスラエル、空爆続行中国新聞

 【エルサレム28日共同=長谷川健司】イスラエル軍は二十八日、パレスチナ自治区ガザ地区を支配する強硬派ハマスの関連施設に空爆を続け、ハマス内閣庁舎などを破壊した。ガザの救急当局者は、二十七日からの空爆による死者は二百七十一人、負傷者は約九百人に達したと述べた。

 一方、ガザの武装勢力はイスラエル領に対して報復のロケット弾攻撃を本格化させ、イスラエルのメディアによると、これまでロケット弾攻撃をほとんど受けたことがない中部の都市アシュドッド周辺に着弾。負傷者は出ていないが、イスラエルは警戒を強めている。

 イスラエル政府は二十八日の閣議で、ガザ地区での軍事作戦のため、国防相が予備役を招集することを承認した。

 国連安全保障理事会は二十八日、関係当事者に軍事行動の即時停止を求める声明を出した。

 ロイター通信によると、死者のうち少なくとも十数人は女性や子供。二十七日だけで二百人以上が死亡した。イスラエル軍の攻撃による一日のパレスチナ人死者数としてはイスラエル建国に伴う一九四八年の第一次中東戦争後、最悪規模という。

 ガザの救急当局者は「これほど多くの負傷者を手当てする態勢はなく、麻酔薬や包帯、救急車の燃料などすべてが足りない」と嘆いた。

 シリア在住のパレスチナ強硬派ハマスの指導者マシャル氏は二十七日夜、中東のテレビ局アルジャジーラのインタビューで、パレスチナ人に「第三次インティファーダ(反イスラエル闘争)を呼び掛ける」と語った。

 第二次インティファーダは二〇〇〇年秋に始まり、ハマスは多数の自爆テロを実行。軍はパレスチナ自治区を攻撃し、〇七年末までに双方で計五千三百人以上が死亡した。

 ヨルダン川西岸や東エルサレムでは二十七日、空爆に反発する若者らがイスラエル治安部隊と衝突。イエス・キリストの生誕地とされる西岸ベツレヘムでは、抗議のためクリスマスツリーなどのイルミネーションが消された。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812280266.html