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2008年12月28日(日) 20時34分

<ガザ空爆>死者271人に イスラエル軍、地上部隊増強も毎日新聞

 【エルサレム前田英司】イスラエル軍は28日、パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム原理主義組織ハマスの関連施設に対し、前日に続き大規模な空爆を行った。AFP通信は、ガザの保健当局者の話として、死者は計271人、負傷者は計620人に達したと伝えた。同軍がガザとの境界付近での地上部隊を増強しているとの情報もある。一方、ハマスは反撃を宣言。イスラエル側にロケット弾が撃ち込まれ、1人が死亡、4人が負傷した。双方の暴力の連鎖が拡大する恐れが出ている。

 イスラエルとハマスの停戦は今月19日に失効。その後、ガザ地区からのロケット弾攻撃が増え、軍はその報復だとしている。攻撃の初日だけでも、地区内の警察署など50カ所以上を空爆し、230人以上が死亡。大半がハマス関係者だという。イスラエル紙ハーレツによると、子供ら市民15人が犠牲になった。自治区へのイスラエル軍の攻撃による1日の死者数としては過去最悪規模に達した。

 軍は28日も、ガザ地区内のモスク(イスラム礼拝所)とテレビ放送局などを爆撃。モスクでは2人が死亡した。軍はモスクをテロ活動拠点だと指摘している。AFP通信によると、イスラエルのバラク国防相は、同地区に地上軍を展開する可能性も示唆した。

 一方、シリアに亡命中のハマス指導者メシャール氏は、中東の衛星放送局アルジャジーラを通じて「自爆攻撃による第3次インティファーダ(反イスラエル抵抗闘争)」を行うよう支持者らに呼びかけた。

 国連安保理は28日、ガザ地区でのすべての軍事行動を停止するよう声明を発表した。

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