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2008年12月28日(日) 20時02分

<訃報>米政治学者・ハンチントン氏死去 「文明の衝突」毎日新聞

 【ワシントン大治朋子】米ハーバード大は27日、世界的なベストセラー「文明の衝突(原題・文明の衝突と世界秩序の再編)」などの著書で知られる米国の政治学者、サミュエル・ハンチントン氏が24日、米東部マサチューセッツ州マーサズ・ビンヤードで死去したと発表した。81歳だった。死因は明らかにされていない。

 93年、米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に論文「文明の衝突?」を発表。加筆して96年、出版した。冷戦後の世界は西欧、イスラム、中国、日本など8大文明圏から成り立ち、イデオロギーではなく、宗教など文明の違いによる摩擦や紛争が避けられなくなると指摘。冷戦後の国際社会を新たな枠組みでとらえた視点で注目を集めたが、イスラム文明を危険視し、民族間の対立をあおるものとして論議も呼んだ。01年9月の米同時多発テロ後は、西欧とイスラム両文明の対立を予見した著作として、改めて話題を集めた。

 1927年、ニューヨーク市生まれ。ハーバード大で博士号を取得し、07年まで58年間、同大の教壇に立った。77〜78年、カーター政権下で国家安全保障会議(NSC)の安保政策の調整官を務めた。

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