記事登録
2008年12月28日(日) 18時58分

ガザ空爆 ハマス主催の式典会場には無数の遺体が…産経新聞

 【カイロ=村上大介】ガザ地区に対するイスラエル軍の空爆は夜通し続いた。現地からの報道によると、28日、夜明けの同地区では至る所から黒煙が上がっていた。

 空爆の標的は強硬派ハマスの関連施設。ロイター通信によると、ハマスが主催した新兵のための式典会場には制服姿の無数の遺体が積み重ねられていた。負傷者の頭を揺すり、「神は偉大なり」と叫ぶ救急隊員。コーランの一節を唱える負傷者の声も聞こえてきた。ハマスのハニヤ元首相は「パレスチナはこれ以上悲惨な殺戮(さつりく)に遭ったことはない」と表現した。

 AP通信によると、27日夜、ガザ地区住民の携帯電話にイスラエル軍から避難を促すアラビア語のメールが送信されてきた。しかし、それも遅すぎた。

 57歳の商店主が通りにしゃがみ込み、自分の顔をたたいていた。「息子が死んだ。死んでしまった」。空爆開始直前、たばこを買いに行かせた9歳の息子が戻ってこないのだという。住宅密集地では、半狂乱の母親たちが子供を捜して通りに飛び出す姿も見られた。

 住民は負傷者を自家用車やバンに乗せて病院に運んだ。イスラエルとの境界線を封鎖されている同地区には十分な救急車がないからだ。同地区の病院はすでに治療のための医薬品を使い果たしたという。住民の半数が食糧援助に頼っている。援助グループの間では、空爆による人道支援危機の拡大を懸念する声が広がっている。

【関連記事】
ガザ空爆 全当事者に軍事行為停止を要求 国連安保理が声明
ガザ空爆 アラブ緊急外相会議を招集
ガザ空爆 米がハマス非難「テロ行為中止すべき」
ガザ空爆被害“想定以上” 報復合戦激化へ
イスラエル軍、ガザ大規模空爆 192人死亡

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000546-san-int