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2008年12月28日(日) 18時58分

造反処分「甘すぎる」 自民幹事長に不満噴出中国新聞

 自民党の細田博之幹事長が、麻生政権批判を繰り返す渡辺喜美元行政改革担当相への対応に苦慮している。民主党が提出した衆院解散要求決議案に賛成した造反行為に「戒告」という軽い処分を下し、渡辺氏の発言は逆にエスカレート。地方組織からは結束を求める抗議文や要請が続出、執行部の処分にも「甘すぎる」との批判が出ており、細田氏は矢面に立たされた格好だ。

 渡辺氏が二十四日の衆院本会議で造反してわずか四時間後、細田氏は幹事長権限で戒告処分を決めた。渡辺氏が「ぜひ緊急経済対策もこういうスピードで実施してほしい」と皮肉るほど迅速な対応をとったのは、事態の沈静化が最大の狙いだった。

 しかし「これでおとなしくなるだろう」と期待した細田氏の思惑とは裏腹に、渡辺氏は処分後もテレビ番組に連日出演し、正当性を主張。危機感を強めた地方組織は二十六日、全国幹事長・政調会長会議で細田氏をつかまえ、口々に執行部への不満をぶつけた。

 細田氏は「今後は断固たる態度で臨む」と釈明したものの、厳しい処分を下せば、世間の耳目を引きたい渡辺氏の術中にはまるのは確実。有効な対応策は見当たらず、ベテラン議員からは「執行部がなめられている」との嘆きが漏れている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812280229.html