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2008年12月28日(日) 18時36分

ミニ公募債が3000億円割れ 金融不安受け08年度見通し中国新聞

 自治体が行政への参加意識を高めてもらうため住民に売り出し、身近な学校や公園などの整備費を賄うミニ公募債の発行総額が、二〇〇八年度は二千六百億円程度と〇三年度以来五年ぶりに三千億円を割り込む見通しになったことが二十八日、財団法人地方債協会や総務省の調べで分かった。

 世界的な金融不安を受け、利回りが年1%前後に低迷しているほか、発行開始から七年近くたち「目新しさが薄れた」(総務省地方債課)ため。自治体財政の悪化で、調達した資金を充てる公共事業などが減少したことも影響している。

 地方債協会などによると、ミニ公募債の発行額は四月から十一月末までに累計千二百三十九億円。来年三月末までの発行予定を合わせた〇八年度の総額は、〇七年度比15%減の二千六百億円程度で、〇三年度の二千六百八十二億円と同水準まで落ち込む見通し。発行自治体数も〇七年度の百二十三を下回り、百前後にとどまる。金額、自治体数とも減少は二年連続。

 市場関係者によると、購入希望が発行額に達せず「販売を仲介した金融機関が、売れ残りを引き受けるケースも出ている」という。

 金融不安や景気後退の波紋が地方自治の隅々まで広がってきた形だが、市況の先行きについては「安全資産であるミニ公募債の価値が見直されれば、来年度以降は発行額が回復する可能性はある」(地方債協会)との見方も出ている。

 ミニ公募債は群馬県が〇二年三月に初めて発行し、自治体の新たな資金調達手段として年々定着。ピークの〇六年度には、百二十四自治体が総額三千五百十三億円を発行していた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812280217.html