記事登録
2008年12月28日(日) 17時39分

米女子ゴルフツアーに挑戦の宮里美香 「1勝が目標」産経新聞

 宮里藍、上田桃子が参戦する米女子ゴルフツアーに来年から宮里美香(19)が挑む。日本でプロ経験のない女子選手の参戦は前例がないが、宮里美は「世界の舞台でやるからには、1勝を目標に」と志は高い。

 宮里美は2008年12月7日に終了した米女子ツアー最終予選会を12位で通過し、09年の出場資格を得た。当初は日本のプロテスト受験も考えていたが、覆す出来事があった。

 08年4月に開催された米女子ツアーのギンオープン(米フロリダ州)。参戦1年目の曽雅●(女へんに尼)(台湾)が女王ロレーナ・オチョアと堂々と優勝争いを演じ、2位に入った。この大会を生で見た宮里美は、アジア大会で一緒にプレーしたこともある同年代のライバル曽のプレーに「すごく刺激を受け、世界で戦いたいという気持ちになった」と打ち明ける。

 決断すると行動は早かった。6月には予選会に備えて米フロリダ州のプロスポーツ選手養成学校、IMGアカデミーへ留学。ポーラ・クリーマーらトッププロを輩出するアカデミーで、朝6時から1日約10時間、筋肉痛になるほど「ゴルフ漬けの日々」を送った。

 その練習の成果もあり、最終日に緊張から崩れかけたところを持ちこたえ、12位で予選会を通過した。「本当は10位以内に入りたかったですけど」と苦笑。「アイアンは全体的に安定していたので、アイアンには自信を持っている」と手応えをつかんだ。

 ただ「米国では日本と環境や文化だけでなく、芝の質も違う」と指摘するのは米ツアーで4勝の実績のある小林浩美さんだ。「(洋芝は)ヘッドの抜けが悪いので、いい打ち方を覚えよう」とタイガー・ウッズも師事したブッチー・ハモンらに付き「精度向上を目指してスイングを変えた。姿勢の角度から直された」と苦労した。「米国ではスコアを伸ばさないと勝てない。その度合いがより厳しい。プレッシャーのかかる土壇場で狙い打ちできる精度がシビアに試される」と話す。米ツアー3年目の宮里藍、07年国内賞金女王の上田と、ともに国内女子ツアーで申し分ない実績を持ちながらタフな米国のコースにてこずり、いまだ優勝に届いていない。

 宮里美も「慣れない芝にアプローチがまだまだと痛感した」と課題を見据える。しばらくは慣れた同アカデミーのコーチに付いて練習に取り組む予定で、特に「ショットを安定されせるため、下半身を鍛えたい」と対応策を練る。

 目標に掲げる「メジャー制覇」へ向けての1年目。開幕戦から出場し「二十数試合には出るつもり」。小林さんや米男子ツアーに参戦する今田竜二も英語でのコミュニケーションの重要性を説くが、「ゴルフでは多少できているが、生活面では苦しい。独自に勉強している」と少々不安をのぞかす。

 それでも2005年から4年連続で女子ナショナルチームのメンバーとして世界を転戦したうえ、同アカデミー留学によって「米国生活にはだいぶ慣れた。ホームシックにはならなかった」と話す。持参する炊飯器で玄米を炊いて食事する奔放さで、「夢だった」と語る大舞台を戦い抜く。(松本恵司)

【関連記事】
ベスト尽くして優勝目指す 来季ツアー参戦の大山帰国
ゴルフの宮里美香がプロ転向 来季は米女子ツアー
大山、宮里美が米女子ツアーに挑戦 語学力の準備も万端
大山、宮里美、ウィーらが来季出場権獲得 米女子ゴルフ最終予選会
日本5位、スウェーデンV 世界女子アマゴルフ選手権

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000538-san-golf