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2008年12月28日(日) 16時58分

1軍夢見るブラジル人留学生 ヤクルトの育成選手産経新聞

 念願だった日本のプロ野球のユニホームに袖を通したブラジル人留学生がいる。ヤクルトの育成選手として入団することになった白鴎大のラファエル・フェルナンデス投手(22)。外国人が育成選手として契約したケースは他球団でもあるが、日本の大学に留学した外国人選手が育成選手で入団するケースは珍しい、異色の存在だ。

 ブラジル・サンパウロ出身。小学生から野球を始め、高校時代には150キロの速球を武器に、ブラジル国内の全国大会で優勝を経験。大リーグのスカウトからも関心を集めた。それでも、ブラジルのヤクルトアカデミーに18歳まで在籍していたこともあり、「日本の野球を経験したい」と2005年白鴎大(栃木県小山市)へ留学するため来日した。

 制球難から大学4年間で通算2勝と成績はふるわなかったが、「変化球、コントロールなど課題を克服すれば1軍も可能な素材」(球団関係者)という将来性の高さを買われ、今年のドラフトでは育成選手としてヤクルトから指名された。

 「プロ野球選手になれたことはうれしい。ブラジルの両親もすごく喜んでくれた」とフェルナンデス。10日に行われた新人選手入団発表では、すっかり流暢(りゅうちょう)になった日本語をファンの前で披露した。

 趣味はカラオケで「EXILEの曲が好き」というフェルナンデス。好物の食べ物はすしと、日本の文化にもすっかり溶け込んだ。大学では経営学を専攻し「非常に勉強になった」と勤勉さも大学生活の中で培った。

 目標は「直球で抑えられるところがいい」という藤川(阪神)。だが、日本を代表する守護神に近づくためには克服すべき課題も自覚している。「コントロール、変化球を磨いて、早く1軍に上がりたい」。大リーグではなく、日本のプロ野球を選択したブラジル人留学生は、神宮のマウンドに立つ日を夢みている。(浅野英介)

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