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2008年12月28日(日) 13時49分

豪商が偽金造りの逸話に光中国新聞

 明治維新を迎え、財政難の広島藩の命で可部(広島市安佐北区)の豪商が、偽金造りをした—。地域史のそんな逸話に、まちづくりグループ「可部カラスの会」が着目した。伝統産業の鋳物業の技術力を示す事件として再評価。歴史小説にして出版したほか、新年にイベントを展開する。

 主人公は鉄問屋「南原屋(なばらや)」の木坂文左衛門。可部町史によると、1868(明治元)年から翌年にかけ、藩が偽造を図った銅銭の天保通宝(百文銭)の鋳造を請け負った。戊辰戦争の戦費調達が藩の目的だったが、明治新政府に発覚。関係者は厳しい取り調べを受けた。

 史実に基づく小説のタイトルは「可部 南原屋贋金(にせがね)造り事件」。会のメンバー中野修作さん(68)が史料などを下敷きに執筆した。小説の冊子はA5判91ページ、700円。コミュニティーサロン「可笑屋」などで販売する。

【写真説明】可部の偽金づくりの逸話を歴史小説で紹介する冊子

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812280063.html