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2008年12月28日(日) 01時38分

ナンバー跳ね上げ「パタパタ」急増 5年前の20倍に産経新聞

 バイクなど二輪車のナンバープレートを折り曲げたり跳ね上げたりして隠蔽(いんぺい)し、道路交通法違反容疑で摘発されるケースが、大阪府内で5年前に比べ約20倍に急増していることが27日、分かった。跳ね上げの器具は若者らの間で「パタパタ」と呼ばれ、全国の自動車用品店で4万個以上を販売。ひったくりの少年や暴走族らが警察の追跡を免れるための手口となっており、平成19年にはナンバー隠蔽の総件数に占める割合が9割近くに上っている。

 大阪府警によると、ナンバープレートの折り曲げや跳ね上げの摘発は15年は35件だったが、177件を数えた17年以降に急増。18年に362件、19年には702件となり、今年も11月末までで591件に上っている。

 タオルなどでナンバーを隠す手口も依然残っているが、ナンバー隠蔽の総件数に占める折り曲げや跳ね上げの割合は15年の31.3%から、18年は72.0%、19年は87.5%になった。

 府警は今月8日、跳ね上げ器具を製造・販売していた大阪市北区の「ティー・エヌ・ケー・工業」を道交法違反幇助(ほうじょ)の疑いで捜索。同社の製品は、金具にナンバープレートを取り付け、さらにバイクの泥よけに装着することによってプレートの角度を調節できる棒状の器具で、二輪車に乗る若者の間では売れ筋商品だったという。

 同社は13年からこの器具を約1800円で販売。17年以降、少なくとも4万1000個が全国で売られたことが確認されている。府警が摘発した少年2人が同社製の器具を装着し、「プレート自体を曲げなくていいので便利」「警察がきたら跳ね上げて逃げた」などと供述。購入ルートの捜査で同社の製品が浮上した。

 しかし、器具の製造や販売を直接取り締まる法令はなく、府警は器具を販売したことが犯罪の「幇助」にあたると判断。別の東京都内の業者も類似品を販売していることも判明しており、府警はこの業者についても捜査を進める方針。

 大阪府はひったくりの発生件数が昭和51年以降、32年連続で全国ワースト1。件数は年々減少しているものの、府警は「犯罪につながる小さな違反の取り締まりを強化することにより、犯罪を抑止していきたい」としている。

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