記事登録
2008年12月28日(日) 10時04分

真央逆転3連覇!08年“3冠締め”デイリースポーツ

 「フィギュア全日本選手権兼09年世界選手権代表最終選考会、第3日」(27日、長野市ビッグハット)
 世界女王、浅田真央(18)=中京大中京高=が女子で3連覇を果たした。前日のショートプログラム(SP)で2位だった真央は、ジャンプのミスなどもありフリーも2位。だが、SP首位の中野友加里(23)=プリンスホテル=がフリーで大きく後退し、合計182・45点で3度目の全日本女王となった。村主章枝(27)=avex=が2位。真央は来年3月の世界選手権(米ロサンゼルス)で日本選手初の2連覇に挑む。
  ◇  ◇
 演技を終えた真央が、天を見上げた。鮮やかな逆転劇での3連覇。笑顔よりも先に疲れがきた。手をヒザにつき、息を整える。「出し切ったという感じ。今は凄く満足してます。今年をいい形で締めくくれた」。採点を待つキス&クライでタチアナ・タラソワコーチから「マラリアス!(ロシア語で“大変素晴らしい”)」と出迎えられ、初めて笑顔を咲かせた。
 完ぺきだったわけではない。GPファイナルで成功させた2度のトリプルアクセルは、ともに回転不足の判定。苦手の3回転サルコーは1回転になった。それでも今年の真央の見せ場はそれだけではない。「仮面舞踏会」のクライマックスのストレートラインステップ。繰り出す複雑なステップが、氷上に美しい軌跡を描いていった。ビールマンスピンが解け、音楽が鳴りやむと、観客は総立ちの拍手でリンク中央にたたずむ黒いドレスの淑女を称えた。スピン、ステップはすべて高レベル。演技力を示す構成点5項目はすべて高得点の7点台後半をマークした。
 今季から専属契約を結ぶ牧野講平トレーナーは、今季の真央のフリーが、陸上短距離で最も苦しいとされている「四百メートルハードル以上の体力を消費する」と言う。二人三脚で取り組んできた肉体改造が、“超絶プログラム”を可能にした。陣営はバンクーバー五輪に照準を合わせ、ジャンプ力などの数値を設定。同トレーナーは「予定よりもすごく順調。すでに7、8割はきている」と進化のスピードに舌を巻く。
 08年は、シーズンをまたいで世界選手権、GPファイナル、全日本と“3冠”を達成。しかし、女王がまだ手にしてないものがある。トリノ五輪は年齢制限のために、代表資格を得られなかった。今夏の北京五輪でテレビで映像をしっかり目に焼きつけた真央は「すごく感激した。自分の夢も金メダルを獲ること。メダリストの人たちを見て、冬の五輪ではこうなりたいなと思いました」と夢を重ねた。
 3月の世界選手権では、日本人が誰もなし得ていない世界選手権2連覇の夢がかかる。バンクーバー五輪の代表選考が行われる09年は、大きな勝負の年。歩みは止めない。夢を叶える、その時まで-。

【関連記事】
浅田真央記事バックナンバー

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000020-dal-spo