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2008年12月28日(日) 00時46分

イスラエル、ガザ空爆 195人死亡、最悪規模中国新聞

 【エルサレム27日共同=長谷川健司】イスラエル軍は二十七日、パレスチナ自治区のガザ地区で、同地区を支配する強硬派ハマスの治安関係施設に大規模空爆を行った。ガザの保健当局者は、治安部隊員ら少なくとも百九十五人が死亡、約二百人が負傷したと述べた。

 ロイター通信によると、イスラエルの攻撃による一日のパレスチナ人死者数としては一九八〇年代後半の第一次インティファーダ(反イスラエル闘争)以降、最悪の規模とみられる。ハマスは報復として、イスラエル領にロケット弾など約三十発を撃ち込み、イスラエル人男性一人が死亡、数人が重軽傷を負った。

 ハマス報道官は軍事部門によるロケット弾攻撃を強化すると述べ、報復合戦がエスカレートする懸念が出ている。パレスチナ自治政府のアッバス議長は「犯罪行為」と空爆を非難、国際社会の介入を呼び掛けた。

 イスラエル与党カディマ党首のリブニ外相は「イスラエルがガザ地区から撤退したにもかかわらず、ハマスがロケット弾攻撃を続けていることに対する自衛行為であり、国際社会の支持を期待している」と語った。バラク国防相は「作戦は必要なだけ続ける」と述べ、ハマスの対応次第で長期にわたる可能性を示唆した。

 空爆はハマスの治安部隊本部、訓練施設、ロケット弾が発射される地域など約百カ所に対して実施された。訓練施設では多数のハマス部隊員が参加して修了式典が行われており、ここで多くの死傷者が出たという。ハマス警察長官も死亡した。

 イスラエルとハマスは六月に六カ月間の停戦に入ったが、延長されないまま今月十九日に終了。その後、ガザの武装勢力がロケット弾攻撃を拡大し、イスラエルでは大規模攻撃を求める世論が広がった。オルメルト首相はアラブのテレビ局に「攻撃をやめなければ武力行使をためらわない」と警告していた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812280090.html