記事登録
2008年12月28日(日) 09時15分

【大みそか名勝負】曙がデビュー戦で轟沈産経新聞

 大相撲の元横綱で東関部屋の部屋付き親方となっていた34歳の曙が、格闘家に転向して迎えた第1戦。「K−1 Dynamite!!」(ナゴヤドーム)でボブ・サップ(米国)とK−1ルールで対戦し、178秒で失神KO負けした。試合開始直後に小刻みなパンチやひざげりでコーナーに追い詰めるが、現役時代の突っ張りのような威力はない。逆に連打を受けて最初のダウンを喫し、失速。カウント9で立ち上がったものの、あとは連打を浴びるだけ。現役時代も琴錦や貴闘力の張り手を苦手としていた元横綱は、前のめりに倒れてリング上にカエルのようにつぶれ、そのまま起きあがれなかった。

 転向表明からわずか2カ月後のデビュー戦は、明らかに準備不足。大相撲時代に両ひざを手術したことで、試合中には上体が棒立ちになり、少しでも体が傾くと、こらえきれずに転倒する。練習でロードワークができないため、減量もできないし、スタミナもつかない。3年間のブランクで筋力が低下して肉体の基礎代謝が落ち、203センチ、220キロの巨体は、ぜい肉で覆われていた。

 会場を訪れたかつてのライバル、貴乃花親方の前で醜態を演じた。「試合ができて光栄だった。楽しかった」と話した曙は、「これからもっとトレーニングして出直したい。今度はいい試合ができる」と再起を誓っていた。しかし、貴乃花や三代目若乃花らと名勝負を繰り広げたころのポテンシャルを取り戻すことはできず、K−1ルール、総合格闘技ルールで惨敗が続き、現在はプロレスイベント「ハッスル」に活路を見いだしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000511-san-fight