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2008年12月28日(日) 09時02分

スカーレット狙い通りのローテ/有馬記念日刊スポーツ

<岡山俊明の本日快晴:有馬記念>
 さあ有馬記念、当てましょう。2週連続G1的中で勢いに乗る岡山俊明がラストも決めます。11戦11連対の猛女ダイワスカーレットで勝負。グランプリに照準を合わせたローテーションは、過去人気を裏切った牝馬とは一線を画す。前売り単勝は2・9倍。1番人気でも、結構うまみのある配当が期待できますよ。
 麻生総理が「みぞゆう」と読み違えた「未曾有」。極めて珍しいことを意味するが、牝馬が37年ぶりに有馬記念を制しようとしている女性上位の競馬界は、まさに未曾有の事態を迎えている。これまでの常識は「牝馬は信用ならぬもの」。人気になるほど疑ってかからねばならなかった。しかし、ダイワスカーレットが過去の例を踏襲(ふしゅう、ではない)することはあるまい。
 なぜか。これまで1番人気あるいは2番人気で敗れ去った牝馬は、有馬記念の前に燃え尽きていた。能力はあっても余力が残っていなかった。
 ダイワスカーレットは当初から有馬記念が最大のターゲット。最初に立てられたエリザベス女王杯→有馬記念のプランは、後に天皇賞(秋)→有馬記念と変更されたが、いずれにしても昨年2着のリベンジが最大のテーマに据えられた。したがって、陣営はピークを年末に持っていく調整を施してきた。2センチ差2着の天皇賞(秋)は史上に残る名勝負。放牧を挟んで中7週は、疲れを取って鍛え直すのに十分すぎる期間であった。最終追い切りの馬なり調整が雄弁に物語る。坂路で53秒4−13秒6の遅い時計。1週前の時点で体も中身もできているから、強い調教は必要なかった。「締まって理想の体になった。パワーが格段について去年より数段上」と安藤勝騎手も絶賛する。
 3歳で挑んだ昨年はローズS、秋華賞、エリザベス女王杯と3連勝して秋4戦目。使い詰めで、負けパターンにはまっていた。それでも2着確保が名牝の証し。しかも直線坂上でマツリダゴッホを差し返している。レース直後は勝ち馬に目を奪われて気付かなかったが、ビデオを見直すと底知れぬ強さをはっきりと感じ取ることができる。
 これまでは同期のウオッカの敵役を演じてきた。直接対決では常に人気で下回り、今回のファン投票でも1位を譲った。3度も先着しても、ウオッカの凡走の方がクローズアップされた。ダービー馬の威光に目がくらみ、我々はダイワスカーレットの本当の価値に気付かなかった。11回走って7勝、2着4回。1度としてファンを裏切っていない。
 「行くことになると思う」とジョッキーは正攻法を明言。後続の目標になっても、先行有利の中山なら押し切れる。そんな確固たる自信がベテランにはある。ウオッカ不在のここでは負けられない。こんな牝馬は頻繁(はんざつ、ではない)には現れない。1番人気でも意外に配当はつく。馬単は○マツリダゴッホで8・2倍、▲アルナスラインで31・6倍、△エアシェイディなら78・5倍。現実的な夢を見る。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000000-nks-horse