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2008年12月28日(日) 08時03分

死力尽くした!真央が3連覇!/フィギュアサンケイスポーツ

 全日本選手権最終日(27日、長野・ビッグハット)世界女王の浅田真央(18)=愛知・中京大中京高=が合計182.45点で3連覇を果たした。フリーでは2度挑んだトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)がいずれも回転不足と判定されたが、うまく演技をまとめ、ショートプログラム(SP)2位から逆転した。2位はフリーで1位となった村主章枝(27)=avex。安藤美姫(21)=トヨタ自動車=は練習で村主と激突して右ひざを負傷し、3位に終わった。

 寸分の力も残っていなかった。「仮面舞踏会」の重厚な旋律を舞い切った真央は、思わず天を仰ぎ目をつむった。「今年がやっとすべて終わった、という気持ちでした」。死力を尽くしてのV3。11月末のNHK杯から3大会連続Vで、08年を締めくくった。

 世界女王の底力で大荒れの展開を制した。3回転半ジャンプは、2度とも着氷しながら回転不足で減点。サルコーは1回転しか跳べず、今季1度も成功がない2連続3回転は2つ目が回転不足となった。前日のSPは中野、この日のフリーも村主に1位を譲り、ともに2位。ジャンプなどの技術点は全体の3位にとどまったが、表現力を示す演技点の高さでカバーし、3連覇をつかんだ。

 「SPがダメ、というのは今までもあったパターン。攻める気持ちだけ忘れずに滑った」と真央。12月上旬のグランプリ(GP)ファイナルでもSPはライバルの金妍児(キム・ヨナ=韓国)に首位を譲りながら、フリーで逆転。大舞台を踏むごとに精神的な強さを増している。

 タフな心を支えるのは強靭(きょうじん)な肉体だ。今年3月末から専属のコンディショニングコーチとして牧野講平さん(29)と契約。豊田市内に転居した牧野さんと二人三脚でトレーニングを積み、筋力、スピード、瞬発力の強化を図ってきた。右足で着氷することが多いため偏っていた体のバランスを修正し故障防止にも努めた。

 「どんなに辛いトレーニングでも前向きに取り組んでくれる。さらに上を目指す姿勢が伝わってきます」と牧野さん。2度の3回転半アクセルに挑める筋力とけがのない肉体は、毎日の地道な鍛錬が作り出したものだ。

 2連覇のかかる世界選手権(来年3月、ロサンゼルス)の切符も手にした。バンクーバー五輪の選手枠を決める大事な大会だけに「コンディションをベストにもっていけるようにしたい」。つかの間の松の内を過ごした後は、再び世界一への戦いが待っている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000024-sanspo-spo