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2008年12月28日(日) 08時03分

三菱勢8連覇なるか ダカール・ラリー、来月3日スタート産経新聞

 世界一過酷なモータースポーツ「2009ダカール・ラリー」は1月3日、スタートする。アルゼンチン〜チリ間を往復する新たなコースで、三菱勢による8連覇なるかが注目される。

 大会は従来、西アフリカのサハラ砂漠を主舞台としてきた。しかしことし1月にリスボン(ポルトガル)〜ダカール(セネガル)間で予定されていた08大会は、通過国でテロの危険が高まったため中止された。その後、主催者は新たな開催地として南米を選択した。

 コースは地図のとおり、アルゼンチンのブエノスアイレスをスタート。チリのバルパライソなどを経由して18日にブエノスアイレスでゴールする。総走行距離9574キロ、競技区間(SS)計5652キロ。真夏の南米で標高4000メートル超のアンデス山脈を越える、アフリカとは違った意味で過酷な設定となった。

 8年連続13度目の総合優勝を目指す三菱は、自身3度目の優勝を狙う増岡浩(48)のほか、ステファン・ペテランセル(フランス)、リュク・アルファン(同)、ホアン・ナニ・ロマ(スペイン)による4台体制。車両は1983年の初参戦以来使っていた「パジェロ」シリーズから、新世代ディーゼルエンジン搭載の「レーシングランサー」に変わる。

 ライバルのフォルクスワーゲン(VW)やBMWは近年、大会規定上も有利な扱いを受けられる新世代ディーゼルエンジン搭載車両で参戦。ガソリンエンジンのパジェロはトップスピードで後れを取ることが多かった。

 新たなランサーは「最高速でパジェロより10〜15キロ速くなり、パフォーマンスでライバルとの差はなくなった」と増岡。新型車両は前哨戦のバハ・ポルトガル(10〜11月)でデビュー戦優勝を果たしており、「ハンドリング性能などを含めてトータルに考えると、われわれの方が有利ではないか」と期待する。

 序盤はパンパと呼ばれる広大な草原での高速コース。アンデス越えは9〜10日で、空気が薄い高地でエンジンのセッティングが問われる。三菱では「低圧室で標高4000メートル超を想定してエンジンのテストをした」(新井泉技術開発本部モータースポーツ部長)。ドライバー、ナビゲーターらもフランスアルプスで高地合宿を行うなど、着々と準備を進めてきた。

 三菱勢が最大の勝負どころと見るのは、サハラ並みの砂漠を走破する13日(SS666キロ)。得意とする砂漠までライバルについていけば、勝機は見えてくる。不安は新型エンジンの信頼性か。

 トヨタ車体は三橋淳とニコラ・ジボン(フランス)によるランドクルーザーの2台体制で、市販車ディーゼル部門4大会連続8度目の優勝を目指す。元F1ドライバーの片山右京もランドクルーザーで参戦。二輪の元GPライダーで下半身に障害を負った青木拓磨も、特別仕様のいすゞD−MAXで初出場する。

 トラック部門には、大会史上最多26度目の出場となる菅原義正が、次男の照仁とともに日野レンジャーで出場する。(只木信昭)

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