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2008年12月28日(日) 08時02分

接触も美姫3位死守、村主は2位浮上…全日本フィギュアスポーツ報知

 ◆フィギュアスケート全日本選手権最終日(27日、長野・ビッグハット) 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)5位と出遅れていた村主章枝(27)=avex=と同3位の安藤美姫(21)=トヨタ自動車=が、直前練習で接触するアクシデントを乗り越え、来年3月23〜29日の世界選手権(米ロサンゼルス)の切符を手に入れた。村主はフリー1位となる121・27点を出し、合計178・59点で2位。安藤は右足をかばいながら演技し、合計174・09点で3位に滑り込んだ。

 大一番直前のリンクで悲鳴が上がった。最終滑走となる第4グループの練習。6分間の規定時間の2分20秒が過ぎたころ、浅田真央を含め6人が入り乱れて滑走する中で、事故は起こった。

 ともに演技チェックに夢中になっていたのか、正面に迫ってくる相手に気づいた時にはすでに回避不能。村主は体をよじって正面衝突を避けようとしたが、その際、右腕が安藤の右足に直撃。ぶつかった反動でバランスを崩し、2人は転倒した。接触後、村主は安藤に寄るようにして謝るしぐさを見せた。

 本番では、ダメージがあまりなかった村主は、10度のジャンプをすべて決めてフリーで1位。SP5位から一気に2位に食い込んだ。安藤は痛めた右足をテープで固定して演技。連続ジャンプで得点を伸ばせず、終盤には転倒の減点もあったが3位となった。同じニコライ・モロゾフ・コーチに師事する2人が、アクシデントを乗り越えて世界選手権切符を獲得。だが、直後の会見では、互いに目も合わせず気まずいムードが漂った。

 安藤は「30%以下の力しか出せなかった。右足に『頑張ってね』って言って出たけど、筋肉が張って、投げ出したいぐらいつらかった」と涙声で話した。そのすぐ近くで、村主は「どうなることかと思ったけど落ち着いて滑れたので良かった」と話すにとどめた。

 冷たい空気は、表彰式後の会見でも続いた。村主は五輪出場枠を争う世界選手権と、五輪本番リンクが舞台となる四大陸選手権の代表に選ばれたが、安藤は四大陸は補欠の2番手にとどまった。アイシングした右足を引きずりながら出席した安藤は、正月の過ごし方に関する質問に「たぶん、日本にいる。足が良くないので病院に通うことになる」と話した。真横にいた村主は、それを無表情で聞くだけだった。

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