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2008年12月28日(日) 08時02分

逆転V3!真央の時代!「すごくホッとした」…全日本フィギュアスポーツ報知

 女子フリーを行い、前日のショートプログラム(SP)2位の浅田真央(18)=中京大中京高=が合計182・45点で自身初の大会3連覇を飾った。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が2回とも回転不足と判定され、フリーは117・15点で2位に終わったが逆転。四大陸選手権(来年2月2〜8日、バンクーバー)と共に代表に決まった世界選手権(同3月23〜29日、ロサンゼルス)では、2010年バンクーバー五輪の3枠確保と日本人初の2連覇を目指す。

 手拍子の中で演技を終えた瞬間、真央は胸に手を当て、天を仰いだ。「大きな大会で3連覇したことなかったのでうれしい。今年の試合が全部終わってホッとしました」。フリー得点は村主に負けて悔しそうな顔を見せたが、重圧から解放されて笑顔。タラソワ・コーチ(61)も「すごく良かったわ」とたたえた。

 世界女王の面目は保った。3回転半は、冒頭の2回転との連続ジャンプで着氷。続く単発も「降りたと思った」。客席からは大歓声が上がったが、判定は回転不足。今季1度も成功がない2連続3回転も2つ目が回転不足だった。ジャンプなどの技術点は全体3位。合計182・45点も3連覇の中では極端に低い。それでも「アクセルを2回跳べたのは次への自信になる」と胸を張った。

 今季は“土台作り”に励んできた。4月から米トレーニング専門機関「NSCA」の認定資格を持つ牧野講平コーチを専属トレーナーに迎え、男子並みにハードなフリーのプログラムを滑り切る体力をつけた。週4日の練習では、スケート靴と同じ約1キロの重りをベルトにつけ、高さ30〜45センチの台に連続100回も跳び上がるきつい練習に耐えた。

 更にスポーツ栄養を専門にする管理栄養士の斉藤裕子さんが、日常の食生活から栄養摂取を指導。苦手な野菜もしっかり取り、3食以外にサプリメントで足りない栄養素を補ってきた。

 野球やラグビー選手らも教えた牧野コーチは「つらくて面白くないトレーニングでも前向きに頑張っている。のみ込みが早く適応能力が高い」と褒めた。バランスよく細部まで筋力を鍛え、腰痛もなくなった。

 年末年始は10日間のオフがもらえる予定で「ショッピングしておいしいものを食べたい」と笑った。五輪本番リンクが舞台の四大陸と、連覇が懸かる世界選手権では金妍兒(韓国)との対決が待つ。「世界選手権ではベストの調子でミスなく確実に滑りたい」。課題と希望を胸に、新たな1年を迎える。

 ◆3回転半→2回転半も全スピンが最高レベル

 連続ジャンプと単発で跳んだ3回転半(基礎点8・2点)は回転不足を取られ、ともに2回転半の基礎点3・5点しかもらえなかった。実施点(GOE)でもマイナス評価。後半の3回転サルコーが1回転になり、基礎点4・95点のはずが0・44点にダウン。SPでもミスした2連続3回転は、2つ目のループが前日同様、回転不足を取られた。

 ただ、3つのスピンはすべて最高のレベル4を獲得。スパイラルも4、ステップも3で基礎点に加点がついたが、技術点で村主を7・96点下回った。表現力を示す5項目の構成点ではハイレベルな7点台を記録し、村主を3・84点上回った。

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