記事登録
2008年12月28日(日) 08時01分

不況、食品への不信…晩ご飯はおうちで 調理器具好調、原料高で和食回帰産経新聞

 総菜、ホームメード調理器具−。年末年始を自宅で過ごす人のための“家ごもり食”がひそかな人気を呼んでいる。不景気や原材料高の影響で外食を控え、つましく食事を自宅でとる人が増加。若者のご飯ブームに加え、フォンデュ鍋などの調理器具のヒット作が相次いでいることが人気を後押ししている。

                   ◇

 「経済の先行き不透明感に加え、中国製冷凍ギョーザ中毒事件や汚染米事件を受けた輸入食品への不信感などが、晩ご飯を家庭で食べることに拍車をかけた」。日本の“家ごもり食”傾向をこう分析するのは、中部飲食料新聞社(名古屋市)の三田哲司・東京支局次長。

 内閣府の消費動向調査によると、10〜12月にレストランなどの「外食を減らす」と回答した世帯は41・1%で、平成3年の調査開始以来最も多かった。日本フードサービス協会の11月市場動向調査でも、パブ・ビアホールの売上高が、前年同月比マイナス3・6%となった。

 また、冬の定番といえば鍋物だが、今冬は家庭用フォンデュ鍋がよく売れている。楽天市場では、フォンデュ鍋の12月の売り上げが前年同月比27%増加した。「若者の間で、フルーツをチョコにつけて食べるチョコフォンデュがブームに火をつけた」(楽天)。バンダイが昨年7月に販売したのり巻きホームメード機「のりまきまっきー」(2940円)は「売り上げが昨年の約2倍」(同社)と好調だ。

 原材料高を受け、パンより割安な米食の消費が増えたことから、総菜も売り上げを伸ばしている。

 大阪市の老舗昆布食品店「こうはら本店養宜(ようぎ)館」が大阪府立大と共同開発した黒マイタケ入り発酵塩昆布「黒舞昆(くろまいこん)」(1050円)の11月販売数は10万個を突破。同社の鴻原森蔵専務は「今冬は田舎の実家に帰らない若者へ、親が送る贈答が急増しています」と話す。

 マーケティング・コンサルタントの西川りゅうじん氏(48)は、“家ごもり食”のヒットを「経済や安全などの要因に加え、健康ブームによる和食回帰が関係している」と指摘する。

【関連記事】
不況で財布のヒモ固く 不安と期待が交錯するアメ横
都心の国内ホテル好調 景気低迷で「安近短」志向
「ウォン安」で韓国大人気 年末年始25%増
関東は初日の出OK?日本海側は雪や雨 気象庁予想
年末年始の休日、40〜50代の主婦4割が「楽しみではない」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081228-00000052-san-soci