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2008年12月28日(日) 00時19分

イスラエル軍がガザ地区を大規模空爆 195人が死亡産経新聞

 【カイロ=村上大介】イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザ地区で、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの治安施設などを標的とした大規模な空爆を実施した。救急当局によると、空爆で195人が死亡、300人が負傷したとしている。ハマスはイスラエル南部にロケット弾を撃ち込み、イスラエル人1人が死亡、双方の報復合戦がエスカレートする懸念が強まっている。

 AP通信などによると、イスラエル軍は戦闘機や戦闘ヘリを投入、ガザ市や南部のラファハなど約100カ所を空爆した。最大の被害を出したとみられるハマス治安部隊の施設では、訓練完了の式典が行われており、ハマスの警察長官も死亡した。

 イスラエル軍報道官は同日、「(攻撃は)始まりにすぎない」と述べ、ハマス指導部個人に対する攻撃の可能性も排除していない。ハマスは「最後の血の一滴まで抵抗を続ける」と徹底抗戦の姿勢を強調した。

 イスラエルとハマスは今年6月に停戦に合意したが、今月19日に失効後、ハマスはイスラエル南部へのロケット弾攻撃を拡大、イスラエルでは報復を求める世論が高まっていた。米政府は27日、イスラエルに対し、ハマス攻撃に際して一般住民の犠牲を回避するよう求めた。

 ロイター通信によると、イスラエルの攻撃によるパレスチナ人の1日の死者は、1980年代後半の第1次インティファーダ(反イスラエル占領闘争)開始以降、最悪の規模となる可能性もあるという。

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