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2008年12月27日(土) 10時01分

【有馬記念】スカーレット、GPの壁突破だデイリースポーツ

 「有馬記念・G1」(28日、中山)
 刻々と近づく大一番への胸の高鳴りを抑えるように、静の調整は進められている。ダイワスカーレットは26日、角馬場でじっくりと乗り込まれた後、栗東坂路へ。降りしきる雪の中、ひときわ目を引く好馬体はスムーズな脚取りで駆け上がった。
 4F63秒9-46秒0-14秒4。「角馬場で力を抜いてから坂路へ。この中間はずっとそういう調整」と松田国師。休み明けの天皇賞・秋(2着)を使われての一戦。重要課題である精神面の安定は、確実にキープされている。「G1の前になると調教師や厩務員がナーバスになって馬が寝れなくなったりする。でもちゃんとカイバを食べて、よく寝ている」と日々のスカーレットを報道陣に明かし、いかに順調であるかをアピールした。
 牝馬Vは71年トウメイまでさかのぼる。近10年を見ても連対馬は昨年のスカーレット(2着)のみ。エアグルーヴやファインモーションといった名牝が敗れ去った。牝馬にとって鬼門ともいえる存在のグランプリをトレーナーはこう分析する。
 「牝馬には勝たないといけないレース(エリザベス女王杯など)がある。そこを使ってきた上に、また強い牡馬とやる。有馬の時には余力がない。それで暮れの重い馬場の二千五百メートルだから。牡馬は強いレースを使って強くなっていくけど牝馬は違う」
 そういった意味でスカーレットは過去の名牝と異なる。今回が秋2走目とフレッシュな状態。「(4月の)大阪杯から有馬を考えていた」と大一番を勝ち抜くための準備は抜かりない。牝馬限定戦を3戦出走した後ですら2着だった昨年。もはやこれ以上の説明は不要。37年間も閉ざされてきた重い扉は今、開かれようとしている。

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