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2008年12月27日(土) 11時16分

中間期・損保決算概況、保険引受利益が減益サーチナ

 日本損害保険協会は、このほど協会加盟会社26社の平成20年9月中間期決算概況をまとめた。正味収入保険料は、前中間期間比977億円(2.6%)減の 3兆6,875億円だった。正味収入保険料の減収などの影響で保険引受利益が減益、また資産運用環境低迷の影響もあり中間純利益も減益となった。正味収入保険料の減収に加え、正味支払保険金、事業費が増加したことによって、保険引受利益は前中間期間の91億円から1億円へ減益となり、資産運用環境低迷の影響もあり、前中間期間比で経常利益が57.3%の減益、中間純利益が41.7%の減益となった。

 経常収益は、保険引受収益が4兆2,916億円、資産運用収益が3,492億円、その他経常収益が172億円となった結果、前中間期間比824億円(1.7%)減の4兆6,581億円。一方、経常費用は、前中間期間比625億円(1.4%)増の4兆5,503億円だった。この結果、経常利益は前中間期間の2,527億円から1,449億円 (57.3%)減益の1,078億円となり、中間純利益も前中間期間の1,782億円から743億円(41.7%)減益の1,039億円となった。

 なお、ソルベンシー・マージン比率は、金融庁長官によって早期是正措置がとられる水準である200%を各社とも上回っている。
◆保険引受の概況

(1)正味収入保険料

 正味収入保険料は、自賠責保険の料率引き下げの影響と、主力の自動車保険の減収等によって、前中間期間比977億円(2.6%)減の3兆6,875億円となった。

(2)正味支払保険金

 正味支払保険金は、台風などの自然災害の影響が少なかったものの、自動車保険、傷害保険等の支払保険金が増加し、前中間期間比414億円(2.0%)増の2兆1,339億円。また、損害率は前中間期間の59.9%から62.9%へ3.0ポイントアップした。

(3)保険引受に係る営業費及び一般管理費

 保険引受に係る営業費及び一般管理費は、信頼回復に向けた社内体制整備を行っていることなどから、前中間期間に比べ552億円(9.3%)増の6,483億円となり、事業費率は2.4ポイントアップの34.8%。

(4)保険引受利益

 正味収入保険料の減収に加え、正味支払保険金および事業費の増加によって、保険引受利益は黒字は確保したものの前中間期間比で89億円(98.5%)減益の1億円となった。

◆資産並びに資産運用の概況

 中間期間末における総資産は32兆5,932億円で、株価水準が低迷したこともあり、前中間期末の37兆7,034億円から13.6%の減となった。また、利息及び配当金収入は前中間期間比10.9%減の3,300億円にとどまった。(情報提供:新日本保険新聞社)

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