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2008年12月27日(土) 23時29分

正月料理、高いけど数の子だけでも 固い財布のひも産経新聞

 お正月料理に欠かすことができない野菜や魚などの食材や総菜。一つ一つの価格の変動を昨年の同時期と比べてみると、今年の社会情勢や気象の動向が投影されている。原油価格の高騰により、数の子やかまぼこなどが昨年比10〜15%割高になっている一方で、台風が上陸しなかったことによる豊作などのため、くりきんとんやレンコンが20〜30%安くなっている。

 大阪市の近鉄百貨店阿倍野本店によると、昨年よりも価格が上がっている主な食材や製品はクワイ(10%高)▽数の子(10〜15%高)▽かまぼこ(同)▽干しシイタケ(同10%高)など。一方、価格が下がっているのは、くりきんとん(30%安)▽レンコン(20%安)など。

 価格が上がった食材の中で、クワイはお正月の消費需要が年々落ち込んでいるため、生産量が減少していることが影響。かまぼこは原油高の影響による休漁が価格にはねかえり、干しシイタケも原油高で高騰した包装用パッケージの費用が価格に上乗せされた格好だ。

 価格が低下した食材では、レンコンは台風の影響がほとんどなかったため豊作となり、価格に反映。くりきんとんはクリ自体の相場は変わらなかったが、サツマイモの豊作が価格を下げた。ダイコンやゴボウ、ハクサイも単価で20〜30円安くなっているという。

 また、正月に欠かせないもちは価格はほぼ横ばいだが、小分けされたもちが人気で、鏡もちは例年よりも売れていないという。同百貨店デイリー商品課の平瀬悦司係長は「全体の雰囲気として、(景気動向を反映し)財布のひもが固い感じがする」と話す。

 買い物に訪れていた奈良県大和郡山市の主婦(53)は、「今年の正月は外出せずに家でゆっくりするつもりやけど、これだけ食材に上下差があれば、購入する品目を線引きしないと。でも数の子だけは良いものを買いたい」と話した。

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