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2008年12月27日(土) 14時28分

房総沖に巨大海底山脈、関東大震災の最大余震に関連か読売新聞

 房総半島沖の海底にあるプレートの下に、数千メートル級の巨大な海底山脈が潜り込んでいることが、海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)などの調査でわかった。

 首都圏や南関東を襲う巨大地震のメカニズムを解き明かす重要な手がかりとなりそうだ。

 房総半島沖は日本周辺でも最も激しくプレートがぶつかりあう場所で、関東で巨大地震が起きる原因となっている。同機構は今年4〜5月、深海調査研究船「かいれい」を使って、房総半島沖の海底下の岩盤の構造を南西〜北東方向に約150キロにわたって調査した。

 調査は、かいれいから海底に向けて音波を当て、その反射波などを測定する方法で行われた。

 その結果、房総半島沖から関東以北の陸側にかけてのプレート(北米プレート)の下に潜り込んでいる「フィリピン海プレート」の表面に、数千メートル級の山とみられる凹凸が数十キロの範囲にわたって複数見つかった。山は少なくとも大きく二つの塊が認められ、伊豆・小笠原諸島と同じ火山活動で誕生した、かつての海山か島とみられる。

 潜り込むプレートの表面に山脈のような障害物があると、激しい摩擦を引き起こすため、ひずみが蓄積しやすく、大きな地震を起こす可能性が高まる。

 海底山脈がプレートの下に潜り込む現象は、地球の歴史の中では何度も起きていたと考えられるが、実際に潜り込んでいる様子は、最近まで観測されていなかった。山脈が見つかった海域は、1923年9月1日の関東大震災の翌日に、千葉県勝浦沖で発生した最大余震の震源域に近い。同様の現象は、東海地震の想定震源域の南にあたる静岡県沖でも見つかっている。

 同機構は、今回の成果を踏まえ、この海域で、探査船「ちきゅう」を使った掘削調査を行うなどして、首都直下地震のメカニズム解明などに役立てたい考え。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000035-yom-sci