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2008年12月27日(土) 12時38分

<施設火災>出火元はリネン室か 福島・いわき毎日新聞

 福島県いわき市泉町滝尻の老人介護施設「ROSE倶楽部粒来(つぶらい)」で26日夜に起きた火災で死亡した女性2人は、入所者の同市平、久野トシヱさん(88)と同市小名浜岡小名、水谷タキさん(90)であることが27日、県警いわき東署の調べで分かった。同署などは同日朝から実況見分し、出火原因を調べているが、1階のリネン室付近の燃え方が激しいという。2人の死因は一酸化炭素中毒で、病院へ搬送された他の入所者3人も煙を吸って入院し、うち2人が重症。

 同署などによると、火災は26日午後10時10分ごろに発生、鉄筋コンクリート2階建ての同施設延べ約380平方メートルのうち1階部分を焼き、約30分後に鎮火した。出火当時、女性職員(61)と入所者8人(男1人、女7人)がおり、職員ら4人は逃げて無事だった。重症者は同市江名、阿部トミさん(82)と同市常磐水野谷町、三谷せつ子さん(90)。

 いわき市消防本部によると、搬送された5人は施設外へ逃げ出せず、消防隊員が2階の部屋から救出した。施設は消火器や誘導灯、火災報知機、防炎カーテンを備えているが、スプリンクラーはなかった。今年8月に査察した際は、違法な点はなかったという。

 女性職員によると、午後6時の夕食後は自由時間で、出火当時は全員が2階の部屋で休んでいた。女性職員は2階の宿直室におり、火災警報が鳴ったため入所者のいる8室を確認。異常がなかったため入所者3人(男1人、女2人)とともに1階へ下りると、リネン室から煙が出ていた。

 3人を避難させ、近くのスーパーに助けを求めた後に施設へ戻ると、リネン室から火が出ていたという。女性職員は「リネン室は火の気がないので信じられなかった」と話した。施設はショートステイや宿泊、デイサービスを行う介護施設だという。【田中英雄、松本惇】

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