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2008年12月27日(土) 12時03分

<ノルディック>28日からジャンプ週間 W杯毎日新聞

 ノルディックスキー・ジャンプのワールドカップ(W杯)は28日、年末年始にドイツとオーストリアで計4戦を行う伝統の「ジャンプ週間」が始まる。57回目の今季は4勝のシモン・アマン(スイス)と2勝で追うグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)が総合優勝争いの軸になりそうだ。日本勢では14日のイタリア・プラジェラート大会で初優勝した湯本史寿(東京美装)に上位進出の期待が掛かる。

 アマンは97−98年シーズンのジャンプ週間でW杯デビュー。98年長野五輪は30番台だったが、20歳で迎えた02年ソルトレークシティー五輪で飛躍した。ノーマルヒルで優勝し、スイスにジャンプ競技初の金メダルをもたらすと、ラージヒルも制して88年カルガリー五輪のマッチ・ニッカネン(フィンランド)以来五輪史上2人目の2冠を達成し、世界を驚かせた。

 その後は低迷したものの、飛び出しでスキー板が下がる欠点を修正。07年世界選手権札幌大会のラージヒルで、復活の金メダルを手にした。今季はジャンプが安定し、7戦中6戦で表彰台に上がっている。

 対抗はW杯通算13勝の18歳、シュリーレンツァウアーだ。昨季個人総合2位の実力を持ち、今季も総合2位につけている。オーストリアのエースで昨季の個人総合王者、トーマス・モルゲンシュテルンにも注目が集まる。

 現在日本勢最高の12位にいる24歳の湯本は、W杯本格参戦2季目の今季、初の表彰台が優勝という快挙を成し遂げた。1本目でトップに立ち、2本目が強風で中止となって転がり込んだ勝利で、本人も「まだまだ」と自覚しているが、経験を積んで着実に力をつけている。来年2月の世界選手権代表にも内定しており、好成績で本番に弾みをつけたい。【立松敏幸】

 【ことば】ジャンプ週間

 年末年始にドイツ南部のオーベルストドルフとガルミッシュパルテンキルヘン、オーストリアのインスブルックとビショフスホーフェンで行うスキー・ジャンプの4連戦。第1回は1953年で、79−80年に始まったW杯より歴史がある。4戦の総得点で総合優勝を決める。日本勢では97−98年に船木和喜(フィット、当時はデサント)が優勝している。

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