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2008年12月27日(土) 11時49分

【有馬記念】有馬最多3勝、岡部幸雄さんが展開分析サンケイスポーツ

 有馬記念の舞台、中山競馬場の芝2500メートルは、小回りで直線も短いだけに展開、騎手同士の駆け引きが大きな焦点になる。今年はどうレースが流れるのか。騎手時代に84&85シンボリルドルフ、88オグリキャップと有馬記念最多3勝をマークした岡部幸雄さんが今年の流れを読んだ。

 スピードがある逃げ・先行型がいると、レースはその馬を中心に動く。他の馬の騎手が目標にするからだ。今年の有馬記念は、ダイワスカーレットがレースの流れを支配するのは間違いない。

 今回のメンバーを見ると、典型的な逃げ馬こそいないが、状況によっては先手を取るといったタイプが目立つ。昨秋以降先手を取るレースが多いダイワがどう出るかが興味深いが、ダッシュ力に優れているだけに、(13)番でも安藤勝己君が行く構えを見せれば、他の騎手は引くのではないか。もし、昨年のチョウサンのように先手を強く主張する馬がいれば、それを行かせて2番手でも競馬ができる。

 その昨年は稍重で、ダイワは内の悪い場所を避けて外めを進み、直後の内にいたマツリダゴッホに直線でラチ沿いから抜け出されてしまった。

 だが、安藤君は当時よりも自信を持って騎乗できるだろう。2200メートルまでしか経験していなかった昨年と違い、距離の心配はない。非常にタフな流れになった前走、天皇賞(秋)も、2着ながら驚異的な粘り腰を発揮した。

 多くの馬にマークされるのは不利に思えるが、本当に強い馬にとっては違う。レースをつくれるという意味で大きなアドバンテージになるのだ。昨年はノーマークに近い存在だったマツリダゴッホも、今回、安藤君は意識してレースを進めるはず。マツリダも先団に付けてこそ持ち味が生きるタイプだけに、まずは蛯名正義君との駆け引きが見もの。この2頭がどう仕掛け、他の馬はどう動くか。おそらく向こう正面から3コーナーあたりにかけてが、重要なポイントになるだろう。


〔1〕1周目3〜4コーナー

 中山芝2500メートル戦はコーナーが6回あり、最後の直線も310メートルと短いので位置取りが特に重要。1周目の直線入口までの500メートルで、少々脚を使っても極力早く望む位置を取った方がいい。追い込みタイプの馬でもいいスタートを切ったら、無理に下げる必要はない。


〔2〕1周目スタンド前

 ここからしばらくはジッとして脚をタメる。大歓声に反応して折り合いを欠くと後半に影響する。逃げ馬は別として、他の馬に後ろに付けるか馬群に入れて落ち着かせたい。


〔3〕向こう正面〜3コーナー

 レース全体の状況、自分の馬の手応えを判断したうえで仕掛けて行く。小回りコースだけにこのタイミングが大事で、少しでもズレると東京や京都以上に影響する。


〔4〕2周目4コーナー

 直線が短いだけに、大外を通るとロスを挽回するのは難しい。馬場状態が悪くない限り、内から4頭半くらいまでのコースを通るのが理想。中山のレースは3〜4コーナーで馬がひとかたまりになる傾向も強く、後方から勝負する馬はかなり外を回らされる可能性がある。それならリスク覚悟で馬群を割って来た方がいい。

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