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2008年12月27日(土) 11時25分

さすが大阪!? 百貨店内のリサイクル店活況産経新聞

 景気の落ち込みで消費が低迷する中、たんすに眠っていた毛皮などの高級服やブランドのバッグなどを百貨店内の一角で委託販売するリサイクル商法が活況を見せている。百貨店に店を構える安心感に加え、不況やエコブームが後押しし、客が商品を持ち込む委託件数が増えているといい、「節約したいけど買い物もしたい」という主婦の願いをかなえるビジネスとして定着しつつあるようだ。

 大阪・梅田の阪神百貨店8階にあるリサイクルショップには、約300点のコートやアクセサリー、バッグなどが所狭しと並ぶ。景気が急速に悪くなる中でも客足は絶えず、店長の市川英子さん(61)は「暖冬で冬物の消費は全体的に鈍いが、売り上げ自体は好調。不況の影響で、1、2度着るだけでしまい込んでいた洋服を委託してくる人が増えてきて、品ぞろえも充実してきた」と話す。

 店を運営しているのは大阪市内の企画会社。約10年前、阪神百貨店内に初めて店舗を構え、今は同じようなシステムの店舗が関西地方で計8店に増えた。使われないまましまい込まれた服やバックが多いことに着目。ワゴンに積んで陳列するのではなく、ブティックのように商品を並べて見やすさや高級感が出るよう工夫しており、年商2億円を超える店もあるという。

 企画会社の担当者は「景気が悪化した今夏ごろから委託商品が増え始め、全体で前年の2割増。不況に強いビジネス」と胸を張る。

 委託販売できる商品は、購入から3年未満で、クリーニング済みなどの条件を満たしているものに限られる。委託者は購入時の3分の1〜5分の1の価格で約1カ月間、店頭に商品を預ける。商品が売れた場合、その6割が委託した客に戻ってくる仕組みだ。

 阪神百貨店で委託販売している大阪市の主婦、中井矢珠子さん(57)は「新しい服を買うごとに古い品を委託している。売れたらうれしいし、お店には掘り出し物もたくさんあって、まるで宝探しをしているような気分」。市川店長は「新品同様の商品が安く手に入ることで、リサイクルは賢い買い物術として定着しつつある。使わないものは気軽に委託して、うまく利用してほしい」と話している。

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