記事登録
2008年12月27日(土) 10時26分

プーケットのにぎわい消える 反政府デモ騒動で観光客敬遠産経新聞

 【バンコク=菅沢崇】タイ南部の避暑地として知られるプーケット島の観光客数が大幅に減少している。市民団体による首都バンコクのスワンナプーム国際空港占拠などの反政府デモ活動で観光地イメージが損なわれ、キャンセルが続出したからだ。年明けの客足も当分は回復は期待できず、急遽(きゆうきよ)、宿泊料の割引を実施するホテルも目立ち始めた。

 同島の高級ホテル「タラバトンビーチホテル」では、昨年はクリスマス前にすでに80%以上の予約で年始まで予約が詰まっていたが、今年は60%程度。1泊の宿泊料を昨年の4割引の部屋を作るなど旅行代理店と協力し、客寄せに努めるが、宿泊係の女性(30)は「特にアジア人の訪問の減少は顕著で、回復には時間がかかりそう」と話す。

 プーケット観光協会によると、最高級ホテルの予約は12月のスワンナプーム国際空港の占拠あたりまではいずれも90%超えていた。だが、その後は3割程度がキャンセルされた。中級ホテルでは、予約率半減のところもめずらしくない。

 プーケット国際空港の幹部職員(46)は「2004年12月の大津波で遠のいた客足がようやく回復したと思ったのに、今年の暮れは昨年同時期の半分程度の利用客となるのではないか。これが最下点ではない可能性もある」と不安げだ。

 タイ観光協会は来年1〜3月の同国への観光客数を前年比の30%減とし、上半期でみても23%下回る183万人減と予測。バンコクでの影響は深刻で、ホテルの客室稼働率は40%程度のところも多いという。

 都心部の地区商業協会の中には来年半ばに大規模キャンペーンを計画するところもあるとはいえ、「国内の政局が安定しなければ、観光客は戻らない」という声がもっぱらだ。

【関連記事】
「ウォン安」で韓国大人気 年末年始25%増
地震、サムライ、ドラ、マンガ…過去最高ペース外国人観光客のユニークな要望
初詣はひこにゃん神社へ来てにゃ! 彦根の観光街にかわいいスポット
“旅人”中田氏、観光庁の「観光アドバイザー」に
「団塊」ゲレンデ回帰 不況嵐のなかパック旅行好調、割引も続々

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000514-san-int