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2008年12月27日(土) 10時10分

織田、今季世界最高得点でV!涙の初栄冠…全日本フィギュアスポーツ報知

 ◆フィギュアスケート全日本選手権第2日(26日、長野・ビッグハット) 信成、初の天下統一だ! 男子フリーを行い、ショートプログラム(SP)首位の織田信成(21)=関大=が“今季世界最高”の合計243・70点で初優勝した。2位で225・94点の小塚崇彦(19)=トヨタ自動車=に17・76点差をつける圧倒的な強さ。05年、採点ミスで失った“幻の金メダル”を奪い返した。200・48点の無良崇人(17)=倉敷翠松高=が3位。織田と小塚は2010年バンクーバー五輪の出場枠を争う、世界選手権(来年3月・米ロサンゼルス)代表に内定。

 優勝が決まった瞬間、腹の底から熱いものがグッとこみ上げた。「この大会はずっと優勝を目標にしていたからうれしい」緊張と重圧から解放されると、織田の目はみるみる真っ赤になった。

 全日本には因縁がある。05年のこの大会で、表彰式後に採点ミスが発覚。表彰台の中央に立ちながら、2位の高橋大輔と順位が入れ替わり泣き崩れた。翌年に控えたトリノ五輪代表の座も逃した。さらに、昨季は酒気帯び運転の反省から出場を自粛。様々な思いを胸に挑んだ2季ぶりのリンクだった。

 SP首位で初の天下取りに王手をかけた前夜は、緊張から寝付いたのは深夜3時過ぎ。「自分は9時間は寝るロングスリーパー。なのに5時間しか眠れなかった」その影響か、今季徹底的に取り組んできた冒頭の4回転トーループは痛恨の転倒。だが、その後の3回転半−3回転の連続ジャンプを成功。国際連盟主催の大会ではないが、“今季世界最高”の高得点を叩きだした。

 7月からは、今季から師事するニコライ・モロゾフ・コーチのいる米ニュージャージーで独り暮らし。大阪の自宅を初めて出て、自立心も芽生えた。「すべてイチからの出直しでした。今ではブリの煮付け、肉じゃがも作るようになりましたよ」とは母・憲子コーチだ。

 次戦はバンクーバーに直結する世界選手権だ。07年に高橋が銀メダルを獲得したが、狙うのは表彰台のド真ん中。「来年は高橋選手のいる全日本で優勝したい。それに勝ってこそ、真の王者」と再統一を宣言した。

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