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2008年12月27日(土) 10時06分

力士に“夜のマナー”も指導!不祥事再発防止へ研修会スポーツ報知

 日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で全力士らを対象に、続出する不祥事の再発防止を目的とする研修会を開催した。会には全力士、行司ら940人の協会員が出席。各講師が土俵での作法、私生活の規律から性生活まで指導した。信号の渡り方からコンドーム着用の義務づけなど多岐にわたった研修に武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)は「私生活の細かいところまで指導できて良かった」と手応えを感じていた。

 研修会では、朝青龍、白鵬の両横綱を筆頭に全力士、親方らが土俵を囲むように着席。武蔵川理事長の訓示に始まり、親方、講師が立ち合いの手つきなど8つのテーマごとに、2時間にわたって規律の徹底を呼びかけた。

 師匠への礼儀作法から道路は青信号で渡るといった一般常識まで、独自に制作したビデオを大型スクリーンに映し出して指導した。研修は力士の夜の生活にも踏み込んだ。相撲診療所の吉田博之所長が「性感染症について」のテーマで講義。クラミジア、ヒト乳頭腫、HIVの3大性感染症が急速に広がっていることを説明。「口でやっても移ります。口でもコンドームは付けてください」画面で感染症患者のこう門の写真も紹介し強く警告した。

 さらに「結婚するまで純血を守るべき」とのアンケートで米国、中国、韓国に比べ日本人の意識が最も低いことをデータで取り上げ「性の自由化が最も日本で進んでいる。奥さん以外の女性との時はコンドームを付けてください」と呼びかけた。吉田所長は性感染症をテーマにした理由を「今の日本で急速に広がっているため」と説明。力士の発病例はないが「若い力士が未然に自分の身を守って欲しい」と説いた。

 異例の性教育。講義を依頼した再発防止検討委員会の伊勢ノ海委員長(元関脇。藤ノ川)は「若い力士にとってむやみやたらに振り回せばいいというものではない。こういう知識を知ることが必要」と不祥事防止へ自信。朝青龍も「吉田先生の話が勉強になった」と神妙にうなずいていた。

 ◆日本相撲協会の研修会 第1回は1968年6月1日。十両以上の力士が講義と実技指導を受けた。その後も十両以上限定などの「立ち合い研修会」などを数回開催している。今回のように全協会員を集めたのは98年8月28日以来、2回目。研修会は、00年2月12日の「立ち合い−」以来。

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