記事登録
2008年12月27日(土) 01時55分

南青山の土地売買契約書偽造 警視庁が家宅捜索 公団元職員が主導か産経新聞

 東京都港区南青山の土地・建物をめぐり、売買契約書を偽造した疑いが強まったとして、警視庁組織犯罪対策4課が有印私文書偽造容疑で、買い主になっていた千葉県内の不動産会社など関係先を家宅捜索していたことが26日、分かった。契約書の作成には、この土地の隣接地を所有する都市基盤整備公団(現・都市再生機構、UR)の元職員が主導的に関与していた疑いがあるという。

 不動産会社の実質経営者らがこの契約書を基に、この土地の隣接地を所有する都内の不動産業者から少なくとも2億円の融資を受けた疑いもあり、警視庁は関連を調べる方針。

 調べや関係者によると、実質経営者や元公団職員らは平成17年4月、東京都港区南青山3丁目の土地1473平方メートルとビル2棟について、所有者の不動産会社「昭和地所」(中央区)を売り主、千葉県の不動産会社を買い主とする約89億円の虚偽の売買契約書を作成した疑いが持たれている。

 元職員はこの取引を実質経営者に持ち込んだり、自分だけが昭和地所に出入りして仲介役を務めたりするなど主導的に関与していた疑いが浮上している。

 契約書には昭和地所の会社印や代表印が押されていたが、昭和地所は「通常使用しているものとまったく異なっている。契約がなかったことは事実。社内にも偽造にかかわった人間はいない」としている。

 昭和地所は「契約の事実がない」として、千葉県の不動産会社を提訴。千葉地裁は今年3月、「契約が成立した事実を認めることは到底できない」として、昭和地所の訴えを全面的に認める判決を出していた。

 実質経営者は産経新聞の取材に「私はこの取引を正規の契約だと思っていた。昭和地所と私の間に入った元職員が絵を描いた」と話している。元職員とは18年から連絡が取れなくなっているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081227-00000510-san-soci