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2008年12月26日(金) 00時02分

詐欺容疑などで追送検 家裁書記官、きょう起訴中国新聞

 埼玉県警は二十五日、振り込め詐欺に使われ凍結された口座から約四百万円を送金させたとして、偽造有印私文書行使容疑で逮捕した京都家裁書記官広田照彦ひろた・てるひこ容疑者(36)について、詐欺や有印公文書偽造・同行使などの容疑で追送検した。さいたま地検が二十六日、詐欺罪などで起訴する。

 県警は、広田容疑者が送金のため、第三者名義の振込依頼書を郵送したとして偽造有印私文書行使容疑で逮捕していたが、その後の調べで、第三者名義の「馬場ばんば」は広田容疑者が成り済ました架空の人物と判明。馬場名義の口座に送金させたことについて、詐欺容疑の立件が可能と判断した。

 調べでは、広田容疑者は昨年九月、新たに戸籍を作成する「就籍」が認められたとの虚偽の書類を作成して京都府南丹市に提出し、馬場名義の戸籍を不正取得した疑い。

 さらに、凍結口座の名義人を相手に、馬場が貸金請求訴訟で勝訴したとの架空の民事訴訟の判決書を偽造し、さいたま地裁熊谷支部に郵送。凍結を解除させた口座から、自分が管理する銀行口座に約四百万円を送金させてだまし取った疑い。

 広田容疑者は、成年後見制度を申請した資産家が相続予定だった遺産を差し押さえるよう求める文書を偽造するなどして、約四千万円をだまし取った疑いもあり、県警は余罪を調べている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812260099.html