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2008年12月26日(金) 00時02分

糖尿病2000万人突破 予備軍含め、10年で1.6倍中国新聞

 糖尿病の疑いがある成人が二〇〇七年十一月時点で、計二千二百十万人に上ると推計されることが二十五日、厚生労働省の「〇七年国民健康・栄養調査」で分かった。患者だけでなく予備軍も含まれる。一九九七年から十年間で一・六倍となり、四・七人に一人となる計算。前年調査と比べ三百四十万人の大幅増となった。

 国民の間で生活習慣病の危険が急速に広がっている実態が浮き彫りになったかたちで、厚労省は「食生活の乱れや、運動不足がなかなか改善されてないのが大きな要因」(生活習慣病対策室)としている。

 調査は、〇七年十一月、無作為に抽出した約六千世帯を対象に実施。回答者のうち、成人男女計約四千人の血液検査結果などを基に推計した。

 糖尿病の診断指標のひとつ、血糖の状態を示すヘモグロビンA1cの濃度(正常値は5・6%未満)が6・1%以上の「糖尿病が強く疑われる人」が約八百九十万人(前年約八百二十万人)、5・6%以上6・1%未満の「糖尿病の可能性を否定できない人」は約千三百二十万人(同千五十万人)で、合わせて約二千二百十万人に上った。

 年代別の人口に占める割合は七十歳以上が37・6%で最も多く、六十代35・5%、五十代27・3%、四十代15・3%、三十代6%と続いた。

 厚労省は強く疑われる人を「患者」とみなしている。調査対象者で「強く疑われる」との結果が出た人のうち、39・2%が「ほとんど治療を受けたことがない」と回答。厚労省の担当者は「糖尿病の初期は自覚症状が出にくく、治療が遅れるケースが多い」としている。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812260121.html