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2008年12月26日(金) 00時02分

ねじれ反映、法案成立率67% 臨時国会が閉幕中国新聞

 第百七十臨時国会は二十五日、閉幕した。参院で野党が多数を占める国会のねじれ状況を反映し、政府の新規提出法案十五本のうち成立したのは十本、成立率は約67%にとどまり、過去十年で最低だった。

 九月に召集された今国会は当初、早期の衆院解散・総選挙を求める民主党が審議に協力したため「べたなぎ状態」で推移。二〇〇八年度第一次補正予算などが成立したが、麻生太郎首相が十月三十日に解散先送りを表明すると情勢は一変した。

 政府が重要法案と位置付けた改正新テロ対策特別措置法と改正金融機能強化法は野党の抵抗で審議が遅れ、政府、与党は会期を二十五日間延長し、衆院再可決により両法を成立させた。昨年夏以降のねじれ国会で衆院再可決による成立は計九本となった。

 民主党も賛成して成立したのは改正国籍法や改正銃刀法など。うち議員立法は「無保険の子」救済法(改正国民健康保険法)のわずか一本だった。

 消費者行政一元化のための消費者庁設置関連法案や労働者派遣法改正案は継続審議となり、旧政府管掌健康保険への国庫負担を大企業の健康保険組合などに肩代わりさせる特例法案は廃案となった。

 首相が〇八年度第二次補正予算案の今国会提出を見送ったのを受けて、民主党などは会期末に雇用、経済対策関連法案を相次いで提出。うち民主、社民、国民新三党で提出した非正規労働者の雇用改善などを目指す雇用対策四法案は参院で可決されたが、衆院で否決され廃案となった。民主党はこれに抗議し衆院に解散を求める決議案を提出したが、否決された。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812260116.html