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2008年12月26日(金) 11時55分

<雇い止め>非正規雇用8万5千人…先月から2.8倍に悪化毎日新聞

 厚生労働省は26日、来年3月までの半年間に、期間満了で契約を更新されなかったり途中で解雇されたりする「雇い止め」の非正規従業員が8万5000人を突破するとの調査結果を発表した。初めて調査した先月28日公表分の3万67人に比べ約2.8倍に悪化した。就職内定を取り消された大学・高校生も769人になり、先月調査から約2.3倍に増えた。不況の深刻化で雇用情勢が急速に厳しさを増していることを示す結果になった。

 厚労省によると、今年10月〜来年3月に派遣・期間労働者など非正規従業員の雇い止めをしたか、予定しているのは1415事業所で、総数は8万5012人。うち5万2684人は年内に雇い止めになる。また、少なくとも2157人が住まいを失い、5万人については住居の状況が把握できていない。業種別では製造業が8万1240人と全体の95.6%を占めている。

 雇用形態別では▽派遣労働者5万7300人(67.4%)▽期間労働者など1万5737人(18.5%)▽請負労働者7938人(9.3%)▽その他(パートなど)4037人(4.7%)。

 契約期間中の解雇は3万8792人で、期間満了後、更新されないのは3万8553人、不明が7667人。派遣は契約期間中の解雇が期間満了を7000人以上上回り、期間満了型が圧倒的に多い期間労働者との違いが際立っている。

 都道府県別では、自動車関連産業などが集まる愛知県が1万509人と最も多く、続いて▽長野(4193人)▽福島(3856人)▽静岡(3406人)などの順だった。

 一方、就職内定を取り消された来春の卒業予定者は、大学生が632人(前回調査302人)、高校生が137人(同29人)。高校生の増加が目立ったが、高校生は就職活動の開始が9月以降のため、影響が表れるのが遅くなったとみられる。業種別では不動産業の197人が最多で、次いで製造業の187人だった。【東海林智】

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