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2008年12月26日(金) 00時02分

JFE、倉敷の高炉休止 大手で初、来年1月に中国新聞

 鉄鋼大手JFEスチールは二十五日、来年一月中旬から西日本製鉄所倉敷地区(倉敷市)の高炉一基の稼働を休止する、と発表した。二〇〇八年度下半期の粗鋼の減産幅は従来計画よりも二百五十万トン拡大する。改修時期を前倒しする形で、業績が急激に悪化している自動車メーカーを中心とした需要の減少に対応する。金融危機を受けての高炉休止は国内大手鉄鋼メーカーで初めてとなる。

 経済産業省が同日発表した粗鋼生産見通しによると、二〇〇九年一—三月期は二千百十万トンで、三十九年ぶりの低水準に落ち込む。新日本製鉄も来年三月に大分製鉄所(大分市)で高炉改修を計画しているが、日本鉄鋼連盟の宗岡正二会長(新日鉄社長)は「(時期を)早めることも当然検討の対象にはなる」と指摘。改修前倒しによる高炉休止の動きが広がる可能性もある。

 JFEが休止させるのは倉敷地区で稼働している三基の高炉の一つ「第三高炉」。一九九〇年の改修以来稼働を続けていることもあり、改修の前倒しに伴う稼働休止を決断した。生産能力はJFE全体のほぼ一割に相当。〇七年度のJFEの粗鋼生産実績は三千五十二万トンだった。

 JFEは「いずれ改修する必要があり、高炉を止めた方が生産効率が向上すると判断した」と説明している。

 経産省によると、〇八年度通年の粗鋼生産は、今秋以降の需要の急減で前年度より一割近く少ない一億九百六十五万トンの見込み。三年ぶりに前年度を下回り、〇一年度以来の低水準になる見通しだ。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812260105.html