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2008年12月26日(金) 02時34分

<愛知県>09年度4千億円財源不足 税収減など膨らみ毎日新聞

 愛知県の来年度の財源不足が約4000億円に上る見通しとなった。同県幹部が25日、明らかにした。今年度当初に比べ税収減が3000億円規模まで膨らむのに加え、急激な景気悪化に伴う法人2税の還付金が過去最高の1000億円程度になる見通しとなったため。県は人件費の削減を含め、さらなる歳出見直しを進める。

 県は3日、トヨタ自動車の09年度3月期連結決算が前期比で73%減少するとの業績予想をベースに、来年度の税収が2700円落ち込むとの試算を示した。しかし、トヨタが22日、業績予想を1500億円の赤字に下方修正したことで「税収の減収幅は3000億円に達する見通し」(県幹部)となった。

 一方、県は上半期の業績を基に納入された法人2税について、企業収益の悪化に伴う還付額を試算。過去最高だった99年度(182億円)の2.7倍に当たる約500億円と見積もったものの、その後トヨタを筆頭に予想を超える落ち込みが続いており、さらに数百億円膨らむ見通しとなっているという。

 還付金は義務的経費に計上する。これにより、来年度の同経費は借金返済に充てる公債費の増加分を含め、今年度当初より約1000億円増えるのが確実で、税収減の3000億円と合わせ約4000億円の財源が不足する計算になる。

 県は既に、義務的経費の34%を占める人件費の見直しに着手している。投資的経費についても、一部事業の中止を視野に見直しを進めている。【月足寛樹、丸山進】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081226-00000012-mai-pol