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2008年12月26日(金) 17時13分

「かんぽの宿」70施設、オリックスに一括譲渡スポーツ報知

 日本郵政は26日、全国展開する宿泊・保養施設の「かんぽの宿」70施設を同社の運営事業部門ごと、オリックスグループに一括譲渡すると発表した。来年4月1日付で事業分割して新会社を設立し、同日、新会社をオリックス不動産(東京)に売却する。

 譲渡額は明らかにしていないが、数百億円規模とみられる。正社員約640人と非正規労働者約2600人の雇用は、同等の勤務条件で原則的にすべて引き継ぐ。首都圏などに9か所ある従業員社宅も譲渡対象だ。

 かんぽの宿は郵政民営化時に、2012年9月までの譲渡または廃止が決定済みで、今年4月から日本郵政が譲渡先の公募、選定に着手。

 外資系を含む約30社から応募があり、日本郵政は「雇用確保を最優先に、信用力やホテル運営の実績を考慮して譲渡先を決めた」という。オリックスは「老朽施設は改装して集客力を上げ、ホテル、旅館事業の中核にしたい」としている。

 東京都世田谷区にあるスポーツ施設「ゆうぽうとレクセンター」については、今後、扱いを検討する方針。結婚式場やコンサートホールを併設する同品川区の「ゆうぽうと」は譲渡の対象外。

 かんぽの宿の07年度の宿泊者は全国で約208万人。年間稼働率も平均70%を超す人気ぶりだが、コスト意識が低く、約40億円(07年度)の赤字事業となっていた。地元旅館業者からの「民業圧迫」に対する反発や、旧郵政省幹部の天下り先批判も重なり、旧日本郵政公社時代から不採算施設の廃止や売却を段階的に進めていた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081226-OHT1T00229.htm