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2008年12月26日(金) 06時03分

クリスマスの悲劇!高1女子が父刺すスポーツ報知

 沖縄県警豊見城署は25日、帰宅時間をめぐり口論になった父親の胸を包丁で刺したとして殺人未遂の現行犯で豊見城(とみぐすく)市の県立高校1年の長女(18)を逮捕した。父親(49)は搬送先の病院で死亡が確認されたため同署では容疑を殺人に切り替える方針だが、正当防衛の可能性もあるとみて慎重に調べている。

 調べによると、長女は妹(12)とともに、離婚して離れて暮らす母親とクリスマスイブを過ごし、25日午前零時ごろ、同市の団地内に帰宅。玄関のドアにはチェーン鍵がかかっていたが、姉妹はなんとか家に入ったという。

 「帰りが遅い」と激怒する父親に長女は「なんで鍵をかけたの」と言い返し口論に発展。父親の剣幕(けんまく)をよそに長女が台所で洗い物を始めると、父親が鍋を片手に詰め寄ってきた。怒りが収まらない父親は鍋を包丁に持ち替えたという。

 もみ合いになったところ長女はとっさに台所に置いてあった洋包丁(刃渡り約13センチ)で、父親の左胸や左脇腹など数か所を刺した疑いが持たれている。調べに対し「父親が包丁を持って襲ってきたので恐怖を感じ、自分も別の包丁を取って刺した」と供述。「殺すつもりはなかった」などと話しているという。

 一家は長女と父親と妹の3人暮らし。長女は妹を連れ、24日夜から豊見城市外で母親とクリスマスを祝っていた。事件前に、父親は「今日は遅いから帰ってくるな。母親の家に泊まれ」と長女に電話。しかし母親は「帰らないとお父さんはもっと怒るから…」と姉妹を諭し、車で自宅まで送り届けた。

 事件当時、自宅には父親と姉妹のほかに父親の知人の女性がいたとみられる。女性の声で「お父さんが刺されました」と119番があったという。

 救急隊員が駆け付けたときには父親は心肺停止状態で、搬送先の病院で死亡が確認された。長女も首にかすり傷を負った。同署は殺人容疑に切り替える方針だが、正当防衛の可能性もあるとみて慎重に調べている。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081226-OHT1T00066.htm