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2008年12月26日(金) 22時06分

<インドネシア>大津波から4年 復興支援に区切り毎日新聞

 【ジャカルタ井田純】22万人以上が犠牲となったスマトラ沖大地震・インド洋大津波から26日で4年を迎えた。16万人超の死者・不明者を出した最大被災地のインドネシア・アチェ州では、住宅、道路などの再建がほぼ完了した。国際援助団体も多くが撤退、復興事業を統括してきたアチェ・ニアス復興再建庁も来年4月に解散する。

 インドネシア政府によると、復興支援で建設された住宅はこれまでに12万戸以上にのぼり、今なお仮設住宅に残る被災者約1000世帯も新築住宅に近く入居の見通し。また、日本などの支援で3000キロ以上の道路や橋、約1500カ所の学校が再建された。

 しかし現地では、復興事業に区切りがつくことで、地域経済が減速するとの不安が高まっている。先月の世界銀行の報告書によると、アチェ州の失業率は全国平均とほぼ同じ9%強だが、「ここ数年の雇用は“復興特需”頼みで、長期的に持続するものでない」と指摘。世界的な金融危機も影響して経済が急速に冷え込み、失業者の増加から社会の不安定化につながる恐れもある。

 同州ムラボーで26日行われた追悼式典で、ナザル副知事は「現状への不満を訴えるのではなく、国内外からの支援に感謝しよう。国際NGOが役割を終えつつある今、われわれ自身が引き継いでいこう」と述べ、復興が新たな段階を迎えたことを強調した。

 ◇プーケットで日本人会が慰霊祭

 【バンコク藤田悟】インド洋大津波で被災したタイ南部プーケット島では26日、地元の日本人会が主催する「五回忌追悼慰霊祭」が営まれた。

 タイ南部では津波で5395人が死亡。日本人の犠牲者は29人で、うち1人の遺体が確認されていない。

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