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2008年12月25日(木) 00時03分

消費増税「23年度」で決着 プログラム法は見送りの公算産経新聞

 政府は24日、税制抜本改革への道筋を示す「中期プログラム」を閣議決定した。消費税率引き上げについては、景気の好転を前提に「平成23年度より」と、実施時期を明示することで決着。時期については、麻生太郎首相が強くこだわったため明記することにした。

 消費税増税の時期に関しては、「3年以内の景気回復に向けた集中的な取り組みにより経済状況を好転させることを前提に、消費税を含む税制抜本改革を23年度より実施」との表現になった。プログラムの策定を進めてきた与謝野馨経済財政担当相は同日、閣議後会見で「基本部分が自民・公明で合意されたのは画期的なことだ」と述べ、最終案を評価した。

 修正された点をみると、税制改革の基本的方向性を「立法上明らかにする」としていた部分の前に「21年度税制改正に関する法律の附則において」との表現を追加。これにより、与謝野経財相が模索していた独自の「プログラム法」制定は見送られる公算が大きくなった。

 21年度与党税制改正大綱には、公明党の反対で時期が明記されなかった。その後、麻生−与謝野ラインが巻き返したものの、表現が修正されトーンが弱くなった。

 また今後は「経済状況の好転」という前提条件の明確化が課題となる。景気が上向きになり始めた時期を想定しているが、自民党内にも「風邪をひいている人に冷や水を浴びせるようなもの」(中川秀直氏)などと批判の声もあり、国民が景気回復を実感できる時期まで先送りされる可能性がある。

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