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2008年12月25日(木) 21時17分

旧国鉄石綿被害で和解=遺族に1700万円支払い−横浜地裁時事通信

 アスベスト(石綿)が原因とみられる中皮腫を発症したのは、旧国鉄(鉄道・運輸機構)と日本貨物鉄道(JR貨物)が対策を怠ったためとして、死亡した元従業員2人の遺族が両社に、総額約6700万円の損害賠償を求めた訴訟は25日、横浜地裁(吉田健司裁判長)で和解が成立した。
 原告側代理人によると、会社側がそれぞれの遺族に約1700万円を支払うことで和解した。旧国鉄職員の石綿被害で和解が成立したのは初めて。死亡した加藤進さんの長女(34)は「旧国鉄で働き、石綿被害に遭った可能性がある方々の救済の道が開いた」とコメントした。
 加藤進さんは1963〜87年、旧国鉄大船工場で電車の改修作業などに従事し、2004年に悪性胸膜中皮腫で死亡。もう1人の小林忠美さんは63〜84年、日本貨物鉄道で主に操車係として勤務。ブレーキの際に舞い上がるアスベスト粉じんを浴び、係争中の今年1月に死亡した。 

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