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2008年12月25日(木) 20時56分

<EU>ブルガリアの財政支援中止 汚職摘発進まず毎日新聞

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU)の行政府・欧州委員会は25日、昨年1月にEUに加盟したブルガリアの政府・当局による汚職摘発が不十分だとして、同国に対するEUの財政支援のうち2億2000万ユーロ(約270億円)を取り消すことを決めた。

 加盟国に対する財政支援の取り消しは初めて。取り消されるのは、ブルガリアの加盟を円滑に進めるため、社会基盤整備や機構改革、法治制度の確立などにあてられる予定だったEU構造基金の支援金。

 ブルガリア政府に汚職摘発の強化を求めてきた欧州委員会は今年7月、総額110億ユーロ(07〜13年)の同国向け財政支援のうち5億6000万ユーロを凍結した。このうち構造基金分は今月末に使用期限が切れるため、欧州委員会は「手遅れ」と判断、「EUと加盟国市民の資金的利益を守る」観点から使用権のはく奪を決めた。

 欧州委員会報道官によると、使われなかった2億2000万ユーロはEU予算に組み込まれる。

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